嫌いになりたい
交錯する気持ち
一週間はあっという間に過ぎ

行きたくなかったコンパの時間がやって来た

店に着き、富永さんの高校時代の友達という女の子と合流し、男性陣を待つ


「宇佐美さーん…。お願いですから、もう少しだけにこやかにしましょ。ね?」


「これでも、充分笑顔よ」


こそっと耳打ちしてきた富永さんを一瞥し、目の前の席を見た

3対3

まさか、こんなに少人数だとは思ってもみなかった


「相手の人が来たら、もっと笑って下さいね」


「………」


「宇佐美さんの笑顔、とっても素敵なんで」


笑顔が素敵


思ってもみなかったことを言われ、勢いよく彼女の方を向く


「ふぇっ?!な、何ですか?」


間抜けな声を上げた富永さんに、思わず笑いが込み上げた


「えっ?何?」


意味が分からないのか、困惑顔の彼女の頭を黙って撫でる

そして口を開こうとした時───


「遅れてゴメーン」


皆で集合してからやって来ると聞いた男性陣が、あたし達の居る個室の襖を開けた
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