都合のわるい女
俺がタカハシから離れられない理由。






俺がタカハシから離れられない理由。









それにしても、なぜ俺は、こんなにも非道な扱いを受けながらも、タカハシから離れられないのか?


これは俺にとって、目下のところ、最大の研究テーマである。

そろそろ本腰を入れ始めなければ、と危機感を覚えている卒業論文の研究よりも、もっと深刻に捉えているくらいだ。



「ニッシー、まだあ〜?」



俺の頭を悩ませている張本人が、俺の部屋のテレビの前にどっかと居座り、最近ハマっているというドラマを見ながら、俺が作る晩メシの催促をしてくる。


傍若無人とはこのことだ。



「ちょっとは黙って待ってろよ!
お前がチンジャオロースとチャーハンなんて頼みやがるからだぞ?
うちにはフライパン一つしかねえんだよ」



俺はフライパンを振るいながら、ちらりとタカハシを振り返って叫ぶ。




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