恋は夕焼けに溶けて
青扇学園(せいせんがくえん)
 
青扇学園(せいせんがくえん)には、4つのグループがある。

1つ。ハカセ(博士)
全国選りすぐりの優秀な生徒が
学費を免除され、生活費を支給され
学園が用意した寮に住んでいる
貧乏だけれどもすばぬけて優秀な生徒たち。

2つ。パンダ
モデル、俳優に女優。
客寄せパンダのような存在の美しき生徒たち。

3つ。ノーマル
大企業の重役、中小企業の社長、医者などを親に持つ、それなりに裕福な家庭の子女たち。

そして4つ目。A(エー)
大企業の創業者一族やら超一流と言われる名門の御曹司とお嬢様たち。


ほとんどの生徒は、ノーマルで
ハカセとパンダとAは、ほんのひと握り。

私、綾野蘭々(あやの らら)はノーマルでありパンダでもある。

私の父は某一流企業の重役であり
私は某ファッション紙のモデルもしているからだ。


「ララ、今度の週末
家でパーティがあるんだ
来てくれよ」

「ごめんなさい
先約があるの」

"A"の御曹司は、私の返事が気に入らなかったのだろう。

忌々しげに顔を歪め
 横を向いて、チッと微かな音を立てた。


それでもすぐに振り返り
ニッコリと、私に微笑みかける。

「次は必ず来てくれよ」


私はハッキリと返事をせずに
ぎこちない微笑みだけを返して、その場を去った。


不良の御曹司とかかわりあいたくない。
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