蟲狩り少女
12月
精神的にはあまりよくなかった。


けれど時間は待ってはくれず、体育祭も気が付けば終わっていた。


後で写真を見返してみると、あたしはドキンちゃんを擬人化した衣装を来て歩いている。


その顔は笑っていたけれど、どこか曇っているようにも見えた。


「おはよ、里音ちゃん」


いつものように登校していると、後ろからリカちゃんが声をかけてきた。


リカちゃんは赤いチェックのマフラーを巻き、白い手袋を付けている。


「今日も寒いね」


「そうだね」


あたしは頷き、自分のマフラーに手を当てた。


グリーンのチェック柄で、去年お母さんに買ってもらったものだった。


2人で並んでいるとクリスマスカラーみたいで、あたしは少しおもしろく感じた。
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