もう一度、恋をしよう。
ずっと、好きだった。
《 大和side 》




「…ずっと、好きでした。」




受験を終えたある日の放課後、俺は美桜の友達の真央に屋上に呼び出された。


屋上に着くなり真央は恥ずかしそうに顔を俯けて告げる。




「…真央、ごめん。
その想いには応えてやれない。」




俺がそう言うと、僅かに真央を肩が揺れた。




「…大和くん、好きな人いるの?」




「……は?」




「大和くんの好きな人って……美桜?」




「…何で美桜が出てくんだよ。」




…一瞬、息が止まるかと思った。


動揺を真央に悟られないように、俺は冷たく言う。


美桜の名前を聞いただけで、こんなにも苦しくなるなんて思ってもみなかった。
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