イケメン無愛想S男子と契約を
勘違いのその罠




「ごめん...ごめん....いや!やっぱ無理だわはははっ」



真剣な目で私を見つめた彼は
謝るうちに顔を抑えて笑い出した。



「な、んですか!?なんで笑うの!?」



「いや。いや、ごめん、ちょっと待って」



と、笑いをこらえながら私の顔を見ては涙をうっすら浮かべながら


なお笑い続けた。






「イチゴパフェです。ご注文は以上でおそろいでしょうか?」



「はい。」



笑う曽良さんをよそ目に



美味しそうなイチゴパフェを頬張る。




なんなのよ...曽良さんがこんなに笑ってるの始めて見た...


イラつきとか不安とか抱えこんでた私がバカみたいに思えてくるほど



彼の笑顔は爽やかで何もかも




どうでも良かったように感じる。



「って...そうじゃなくてっ!!」


笑い地獄もようやく止まりだした曽良さんを私は睨みつける。





ダメダメ。


マリネって人は誰なのか聞かないと!絶対!





「イチゴパフェ嫌いだった?」




「違います...マリネってっうお!??ちょ!」




彼は私のこの気持ちもつゆ知らず、



いきなり持っていたスプーンを取り上げて





パクリ





「美味しいじゃん。好きじゃなかったっけ?」






彼の笑みと行動に



私はドキドキして、



これって間接キスじゃん。



やばい...頭が熱くなる。






「ちょ...えっと、だから!」





ろれつが回らない。

だけど、そんなことでまどわされたりはしないんだから!!!





「だから?好きじゃないの?イチゴパフェ?」




「ぇ?」




「好きだよね?知ってるよ。」





ツン。


心臓を突かれたようなそんなきもちがした。



確かにイチゴパフェは大の好物だ。

お菓子とかデザートの中で名前をあげるくらい大好きなんだ。




それを.....なんで

人と関わらない曽良さんが

なんで...知ってるの?





「一応.......彼女だからさ、自己紹介カード教室に行って見た。」



「ぇ」



「嫌だった?...その..彼氏にそんなことまでされるの?」



それって...私を知ろうとしてくれたってこと?



そ、んなの嫌なわけない。


知ってくれようとしてくれた
覚えてくれた...。




「あっ、ううん...あ、りがと」



しかも...

彼女だからさ....て。

彼氏にってそんな...ダメなわけないよ


嬉しすぎるよ





ううっ胸が痛い。

ほわほわして、嬉しすぎて...




泣きそう





「あと、マリネって人じゃないよ。」





「ぇ?どういうこと?」





「...その...言い間違い。マリンコーデいいねってマリンって意味だった。」





少し恥ずかしがるように顔に手を当てた彼。






マリンコーデ...確かに今日は
夏らしいマリンコーデ





「え、わ、たしのこと?」





「そうだよ...その..可愛いって素直に言えなくていい慣れてない言葉で代用したら...」




代用?



ってことは...
マリンコーデも可愛いけど


本当に可愛いと言いたかったのは...







「え、それって、わた.....んぐっ」







ワクワクした目で顔を上げた時


すっぽりと口にくわえられたスプーン

ほのかに口の中がイチゴ味に染まる。





「...あんまり、調子に乗らない方がいいかもねっ」




そう言うとキラキラスマイルを見せた彼。





「ちょ!えっ!?なんで!?」




「勘違いしてた俺も悪いけどそこまでうじうじならないで?」



ねっ☆


と、意地悪ムード全開の曽良さん。




それに対し
スプーンを口から外すと

私は喚く。


なんなのよ...いい雰囲気だったのに




「いじわるっ!!!!!」



「はいはい。帰るよ」



「待って!!!!!」




「うるさい...目障り、早く来て」





声のトーンがだんだん低くなってくる曽良さんに
私は泣く泣くついていく




甘くて、辛くて時には可愛くて

時には...いや、ほぼ意地悪な

曽良さん




だけど...少し楽しんでもらえたかな?


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