私が恋した男(旧題:ナツコイ~海男と都会男~)
◆第3章:都会男との仕事と、女子会
 目覚ましの音が部屋中に響き、腕を伸ばして音を止めた。

「ふぁあ」

 私は大きく欠伸をして鉛のように重たい体を起こし、肩も凝っているような…。

 それにまだ足が浮腫んでいてパンパンだし、昨日一日でこんなにも疲れちゃったのは久しぶりで、ファッション部にいたときはこんなに疲れが出たことがなかったような気がする。

「着替えよっと」

 私は疲れが残る体を引きづりながらクローゼットの扉を開けて、四つ葉出版社で働き始めた時から少しずつ買い揃えたワードロープを見る。

 今日もまた取材とかで歩くなら靴も歩きやすいものを選んでおいたほうがいいし、スカートは避けておいたほうがいいかもしれないと頭に過り、いくつかクローゼットから取り出す。

 ファッション部でも人気のアパレルブランド"I"が発売したセットアップで、色は黄色のトップスをチョイスし、パンツは白を選んだ。

 それに合わせる靴は昨日の取材の行動を踏まえて、パンツとお揃いの白のキャンパスシューズを選ぶ。

「これで歩きやすいよね」

 私は着ていく服が決まると、いそいそと出勤の支度をする。

 朝ご飯は簡単にトーストを焼いて、バターを塗ってぱくりと頬張る。

 一人暮らしだと料理は簡単に済ませちゃうし、それに楽ちんだもん。

 私はお皿を片づけて鞄を肩にかけてキャンパスシューズを履いて、いつものように四つ葉出版社に向けて部屋を出て行った。
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