課長が私に恋してる?
scene7:これはデートではなく付き添いです

土曜日はいつも午前中いっぱいはベッドでぬくぬくしている。
朝ごはんと昼ごはんは大体一緒で、オシャンティーに言えばブランチってわけだ。
適当につけたテレビを流して、冷凍したベーグルをオーブンで焼いて半分に切り、サニーレタスと生ハムと、ちまちま育てていたカイワレ大根を大雑把に挟んで、アイスコーヒーにガムシロップを大量投入したもはや砂糖水に近い液体とともに身体に流し込む。



これが琴子の毎週土曜日だった………はずだ。



「如月課長、いったいこんな朝っぱらからどうしたってんですか」



よろよろとベッドから這い出したのは、赤出汁の良い匂いがしたからっていうのもあるけれど、何がどうして休日の朝7時半にこの男が起きているのかということを確かめるためだった。



「もしかして休日出勤ですか?」



あくび混じりに尋ねると、すでにテーブルに二人分並べられた和食とともに着替え終わってる我が上司は逆に不思議だとでも言いたげに口を開く。



「いや、俺にとっても休日だが………高遠はいつまで寝てるんだ?」



「…………ほんとお母さんですか、課長……」



まあ出されたものは仕方ない、もそもそと移動して席に着いた。



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