ヴァンパイアヒューマン−桜−
★朝日が照らせば★


『う、うーん…』


しばらくしてミーナは意識を取り戻し、静かに立ち上がった。


立ち上がったミーナが辺りを見回すと、ジャックが穴を掘った地面の中にバロンの遺体を埋め、バロンの長い剣を地面にさし、お墓を作っていた。


『ジャック!!』


ミーナはお墓の前で片膝をつき、両手を合わせて拝んでいるジャックに駆け寄った。


『ミーナ様…父が…父が私たちを、命をかけて守ってくださいました』


ジャックは穏やかな表情で呟いた。


『バロン…』


ミーナはバロンの死を受け止め、唇を噛み締め涙を流しながら、ジャックの隣で同じように両手を合わせてお墓を拝んだ。


すると静かに拝んでいるミーナを、ジャックは後ろからそっと抱きしめた。



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