海に降る恋 〜先生と私のキセキ〜
【第3章】

告白

相葉先生の所に通うのを少し控えようと決めてから、数週間が経った。


“控える”と言っても、週1回程度しか減っていないのだけど、


それでもやっぱり、好きな人に会えない時間が増えた事は、今までよりも寂しく感じさせた。



好きな人との時間はすごく大切で

相葉先生に会いたくて

相葉先生と話がしたくて

私の頭を撫でる、相葉先生の温かい手が恋しくて

心の中はいつも相葉先生でいっぱいで…


こんなに誰かを好きになったのが、生まれて初めてだったからなのか、


今の私は自分の中でどんどん大きく、強くなっていく相葉先生への想いを、どうしたらいいのか全く分からなかった。


自分で自分がコントロール出来ない位、相葉先生が好きだと感じていた。



私の脳が

私の心が

私の全身が

相葉先生を求めていた。




『いっその事、想いを伝えたら楽になれるのかな…。』


相葉先生への募る想いを完全に持て余している私は、時々こんな風に思うのだけど


『伝えたところで、先生と両思いになれるような夢みたいな出来事なんて起こるはずがない。』


自信の無さが弱気な気持ちに拍車をかけて、現実的な考えになったり、

“もしかしたら”と奇跡が起こる事を微かに願う私もいた。



ぼんやりと宙を見つめながら、頭の中ではその繰り返しだった。


何度も、何度も繰り返しているのに、何度繰り返しても、いつも答えは出てこない。


溜め息をつく回数が知らない内に増えていた。
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