時のなかの赤い糸
【誠の旗に集え】


「綾野、早く皆の蝶に口付けしてや」



「うん」




山崎にそそのかされて始めに近藤の首に唇を落とした。




「悪いな…」


「お役に立てれば」


次は土方に、そして沖田や原田、藤堂と



次々に遥は幹部の首の蝶を消していった。




「あれ?新八さん、怒ってない?」



藤堂が言うと、みんなニヤリと笑った



「綾野―、もっと濃厚なのじゃなきゃ俺治らね―」



松原がふざけながら言うと永倉が松原に蹴りを入れた。



「いってぇ、
新八さんだってあの長州の女にあんなことやこんな…」



――――――――ボコッ




「あぁあ、松原さん」



永倉は松原を一発殴った。




「永倉さん…
あの女の人と………」




遥の頭にあんなことやこんなことがぐるぐる流れる。




「永倉さんなんか大っっっっ嫌いぃぃぃ!!」
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