シィ君のサンタクロース
出発の朝
12月24日

クリスマスイブの朝。




「じゃ、26日には帰ってきますんで。しばらくお借りします」



そんなことを言って、わたしのお母さんに頭を下げたのは、シィ君。


わたしの恋人。



「千春―。忘れもんないかー?」


「うーん……多分」


二人で荷物の最終確認をしながら、車のトランクに詰め込む。


今日から2泊3日で、スノボをやりに岐阜県までプチ旅行することになった。


「行ってらっしゃい。むこうは雪積もってるんやから、運転気をつけてね」


心配そうに言いながらもお母さんは笑顔で送り出してくれた。
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