ウソ★スキ
月下で泣く
その日の放課後も、あたしはキラの家にいた。

あたしたちが話をしはじめるとすぐに、ソラも帰って来た。



「ただいま!」

あたしたちがいるキラの部屋に顔を出したソラの視線は、キラだけに注がれていた。


「どう? 歯はまだ痛む?」

「ううん、もう大丈夫だよ」

「そうかー、よかった」


ソラの手が、自然にキラの腰に回される。



あたしはそれ以上見たくなくて、マンガのいっぱいつまった書斎に逃げ込んだ。



< 37 / 667 >

この作品をシェア

pagetop