♂性別転換♀
魔力1

夕日も沈み始めた帰り道。


凸凹になった頬を擦りながら帰路につく。


俺が降りる予定だった駅に降ろされたことが、不幸中の幸いだ。


恐らく酷い顔になっているだろうから、人通りの少ない裏道を通る。


人数は少ないが、時折通りかかる人々の視線が俺に注がれる。


注目するぐらい酷い顔なのだろう。


中には隠れて写メを撮る奴もいるし。


にしてもあの女、集中的に顔ばかり攻撃しやがって。


「顔はやめな、ボディにしな」という名言を知らないのだろうか?


今日は厄日だ。100年に一度の厄日に違いない。


こんな時はさっさと家に帰って早く寝よう。


そう思い足を速めると、ふいに制服の裾を何者かに掴まれた。
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