†Orion†
2

*おせっかい焼き*



杉浦さんに久しぶりに会える、今週の土曜日。

それを二日後に控えた俺は、弘美から突拍子もないことを告げられた。



「……いま何て言った?」



耳を疑う俺に、弘美は頬を膨らませながら言う。



「だーかーらっ。あたしもバイトするって言ってんの! あんたの店で!」


「は? なんでウチの店にすんだよ。バイトなら探せばいくらだってあるだろ?」


「探すの面倒だもん。どうせなら、知り合いがいたほうがいいし?」



……冗談じゃない。


弘美が俺と同じ店でバイトするのは別にかまわないが。

俺が杉浦さんのことを好きだと知れば、こいつは絶対に口を挟んでくるし、なにか余計なことをしでかしそうだ。



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