†Orion†
3

*告白と決断*



――店の改修工事が終わって、いつもの日常に戻る。


キャンプが終わって最初の土曜日、優菜さんは休みになっていた。

いつもなら、優菜さんと会えない土曜日を残念に思うのに。

キスのことがあったから、俺はホッと胸をなでおろした。



あの日、キャンプ場で解散するまで。

優菜さんと二人で話をする機会はなかった。

俺を避けているような様子もなくて、帰り際、優菜さんはいつもの笑顔で「お疲れさまでした」と声をかけてくれた。



……何とも思っていないのかな。

どうして、二度もキスしてくれたんだろう。


優菜さんの考えていることが理解できなかったけれど。

あのキスは酒に酔った勢い、ということで、自分なりに片付けることにした。


これ以上なにかを問いかけても、俺と優菜さんの関係が進まないことは分かっていたから。


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