イジワル王子とお姫様
彼女になれる確率
二人で電車に乗った


もう手は繋いでないけど、私の右手は暖かいまま


ナツキくんの体温がまだ手のひらに残ってる気がする


「ナツキくん、今からどこ行こうとしてるの?」


「ん?知り合いがさ、今日個展やってんの。つまんねーかも知んないけど、いっかな。やってんの今日までらしくって」


個展?うわ、難しい響き…。芸術性皆無の私とは縁のない世界だぁ


「ナツキくんの知り合いすごいね!?私見ても分かんないかもだけど、行ってみたい」


「そー言ってもらえると助かるけど…。いつも関西以西でしか個展やらない人でさ。今回初めてこっち来たから」


「ふうん。楽しみだね」
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