旦那様は社長 *②巻*
■第5章■募る不安と希望の光。
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「…い……おいッ!」

「……え?」

「え?じゃねぇよ。どうした?さっきからずっと呼んでんのにポーッとして」


「ごめんなさい。……ちょっと考え事してました」


仕事中に意識飛ばしちゃうなんて……
あたし、どうかしてる。


今日は大切な会議があるっていうのに……。


慌てて資料の準備を再開した。


「お前……最近少しおかしくないか?」

「そんなことありませんよ?」

「会長が来たあの日から……やっぱりお前おかしいぞ」

「……」


会長に有栖川のしきたりの話を聞き、今年中に子供を作ると

社長が約束してもう2ヵ月が経つ。


あと半年になってしまった。

あたしたちのタイムリミット。


半年以内にあたしが妊娠しなければ……

待っているのは“離婚”。


きっと会長は本気だと思う。


『子供を作るためじゃない』と言いながら、社長は毎日あたしを求めてくる。

どんなに拒んでも、けっきょく最後は社長の好きにされてしまう。


そんな気分になれない日もあるのに……。


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