不器用なLOVER
eighth gamble
翌日教室で待ち構えていたのは、

「説明して」

真姫の鬼の形相。

何をどう言えば良いのか思い悩み

「えっと…」

「何かスッキリした顔してる」

登喜子が顔を覗き込んだ。

詳しくは話せないけど…。

「透弥さんとすれ違っちゃって。距離置かれてたっていうか…。
それも結局誤解だったんだけど。昨日無事に仲直りっていうか…」

そう言えば、両想いってことにはなったんだよね?

付き合ってとは言ってないし。
もちろん言われてもないけど。
離さないっていうのはそういうことだよね?

でも友達としてってことかも?
だけど特別って言ってくれたし。
特別って女子の中ではってこと?

でもでもキスもしてる…。

昨日のキスはびっくりしたな。
アレってやっぱり舌だよね。

透弥さんの感触を思い出して唇を手で押さえる。

「何思い出してるの?」

真姫の声に現実に引き戻された。

「突然黙り込んだと思ったら難しい顔して悩み始めて、今度は赤くなってうっとりしちゃって」

登喜子が呆れて言った。

「うっとりなんてしてないもん」

顔から手を離して呟く。

「透弥さんなんて呼んじゃって、付き合い始めたの?」

衣里が自分のことのように喜んで聞く。

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