*ハナコイ*
*1日目*


――――――

「ちょっとロゼア!もっとテキパキやんなさいよッ」



「すみません!」



今私がいるのはお城のキッチン。



約束通りお日様に人間に変えてもらった私はその足ですぐお城で働かせてもらえるよう頼みに行った。



初めは断られたけど、なかなか引き下がらない私の気迫に押されて城の使用人として雇ってくれる事になったの。



これでやっと王子様に会える!…って思っていたのに…



人間ってこんなに大変だなんて思わなかった。



王子様に会うどころか休む暇さえない。



「これじゃあ何のために人間になったのかわからないわ…」



ちょうどお昼時のため,城のキッチンは大忙しだ。



城で働く全員分の食事を運ばなければならないため、ロゼア達が食事にありつけたのはお昼をだいぶ過ぎてからだった。



「疲れたぁ」



ベッドに倒れ込むように横になって休もうとしていたら、いきなりドアが開いて先輩使用人が入ってきた。



「ロゼア!まだ仕事は終わってないよッ!」
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