*ハナコイ*
*2日目*


――――――


次の日の夜。私は言ったとおり中庭で王子様を待っていた。



来てくれるって、そう言葉で言ってくれたわけじゃないけどニッコリ笑ってくれたもの…



「王子様、早くこないかな…」



ベンチに腰を下ろして星空を見上げた。



こうして星を見ていると、まるでバラに戻ったみたい…



そんな事を考えながら王子様が来るのを待っている。



今日はなんだかとても忙しくて足がパンパン。



なんでも明日とても大事なお客様が来るらしくてお食事やお部屋の用意で大忙しだったから。



ベンチに座ったままぐうん伸びをしていると、

「こんばんは」

私の耳に聞こえてきたのは大好きなあの人の声…


「王子様ッ!」



私は急いで振り向いた。


にっこりといつも通りの笑顔でこっちを見つめる王子様…



でも…



「王子…様…?」



なんだか元気がないような気がする。



「ん?何?」
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