彼の隣りに寝る女
気持ちの差異
あれ以来

内くんから電話がこなくなった。

毎日習慣づいていたものがなくなる。

気になる。

私から電話をかけても出ない。

内くんの心変わりを知らない私は

心配してしつこくかけた。

橋ちゃんに電話をして聞いてみた。

「僕が言ったことは内緒にして。内は今年に入ってから他のキャバクラに出入りしてる。そこのケイという子を指名してるよ」

ショックだった。

今年に入ってから?

ついこないだ

大雪の日

あんな感動することをしてくれたのに私から気持ちが離れてるの?

そうは思えなくて私は内くんの仕事場まで行った。

「どうしたの?」

内くんは予想に反して嬉しそうな顔をした。

心配したことを伝え

まだ仕事中の内くんを残してその日は1人で帰った。

しつこくすれば男は嫌がる。

だから私は黙って待った。

でも本当は

プライドを守るためだった。

自分が本気で好きになっていたことを言いたくなかった。

そうして待つことは逆効果だった。

バレンタインのために手作りチョコを用意していた時だった。

内くんから電話があった。

「別れよう」

突然のことにびっくりした。

涙が出ると思ってなかった。

たぶん

内くんもびっくりしたんだと思う。

「泣かないでよ。ごめん。電話で。今からひなのとこ行っていい?」

そう言ってくれた。



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