スイート*ハート~絆のラブリーDAYS~
大切にしたいから



次の日のお昼


初めてかも知れない
先生の方から電話がきた。



ちょうどお昼ご飯の
素麺を食べ終え、
冷蔵庫からプリンを出した時
ケータイが鳴った。



昨日の今日で
少し気まずいような
だけど先生からってのが嬉しい



ごちゃ混ぜな気持ちで
ケータイに出る



「も、もしもし」


「きぃ?」


 ドキンッ


もう条件反射みたいだ
先生の声は私の胸を震わせる



「先生、お仕事中じゃ」


「うん。昼休みだよ」


昼休みにわざわざ なんだろう


「話したいことがある」


先生は改まった声を出した


「仕事終わったら
迎えに行くから
会えないかな?」


「だい…じょうぶ…ですけど」


「良かった。
じゃ多分6時半には
行けると思うから」



ケータイを閉じて


先生からのお誘い


素直に喜べないのは


――話したいことがある




先生の声すごく固かった。



多分、いい話じゃない。


きっと夕べ私が困らせたから



先生……私が嫌になったんじゃ




もうプリンなんか食べられない


冷蔵庫にしまって


刑の執行を待つ
囚人のような気持ちで
夕方まで過ごした。




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