先生の青
Color.1 禁断の恋




 ガヤガヤ、ザワザワ


お昼休みの校内は
どこまでも賑やか



 2年4組 教室



机をくっ付けて
親友の山本 絆(ヤマモトキズナ)と
お弁当を食べる



「ねぇ、ねぇ、絆」


「なに?」



「昨日デートだったんでしょ?
なんて言ったっけ?絆の彼氏」



絆はウインナーを箸で掴み


「藤代(フジシロ)先生」


「そうそう、藤代先生」


絆の好きな人
藤代先生は他校の教師
私たちより30歳上のオジサマと
言うからビックリだ


「何度も言うけど」


絆は憮然として


「藤代先生は彼氏じゃないの
私が勝手に追いかけてるだけ」


「だけどさー16の女子高生が
好き好きって自宅に押し掛けて
何にもないなんて
そのオジサマ変じゃない?」



確かに絆は標準な顔で
年上のオジサマを手玉に取るよーな
セクシーフェイスではないけど



身体。絆のスタイルは魅力的だ


今どきのオンナノコ
みたいに細くない



いや、デブじゃないよ?

ふっくらした胸と腰
柔らかそうな足の曲線

男性は そういうところに
セクシーを感じるはずだ



「あのね、複雑なの。
好き好きなんて言えないし
先生は…繊細で理性があって…」


一言 藤代先生に語るにつれ
絆の表情はうっとり
頬はサクラ色に染まる



 コイスルオトメ……ってか?


「あー、わかったわかった
藤代先生は素敵なオッサン
はい、はい、はい」


絆はプゥ~と頬を膨らませ


「なによー、市花(イチカ)から
話振ってきたのにー」



その表情を見せて
落ちないオッサンなんて
きっと不能なんだ




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