姪は叔父さんに恋してる


―――


「ライ、アート?」

叔父さんが帰った日から、私のベッドの上にはウサギのトモミくんが偉そうに陣取っている。

寝るときも抱いて寝てるから、少しくたびれて見えるのはあながち気のせいでもなさそうだ。


制服を着て、出発時間まで10分と迫ったとき、そんなトモミくんに付いてるタグに、なにやら可愛い印字がされているのを発見。

LIART(ライアート)と書かれた筆記体は、どうやらトモミくんを作った会社名らしい。

聞いたことのない名前だけど。


見れば見るほど可愛らしい細工に、叔父さんが私の好みをよく知ってくれていることを実感する。

「いってきます。」

トモミくんを定位置に戻し、軽く手を振ってから部屋を出る。


流石の私でも、学校までトモミくんを持っていく気にはならなかった。

大事な大事なプレゼントだもの。汚い学校で汚れたりしたら大変。


< 51 / 245 >

この作品をシェア

pagetop