マイスィートアフタヌーン
AFTERNOON

 その頃のスコットランドヤードの例の部屋。

予定を大幅に遅れて帰着したレスリー・コクランは、整然としたデスクを前に佇んでいた。

自分のデスクがこんなに片付いていたはずはない。

誰かの手が加わっている。誰かと言うのなら同室のフレディである可能性が高い。彼がここに目を向ける理由はなんだ? 

――とそこで加わっていたアイテムに気付き、畳まれたそれを開いて開いて、また開く。


にや。口元が緩んだ。


「チャーリー」


巡査を手で呼び、部屋に引き込む。

親しげに肩に腕を回し、非常に陽気にうきうきと、
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