命の箱
独白
恐怖と混乱に支配された真奈の
後ろに雄一は寄り添うように立っている。



「雄一怖い」


真奈は雄一にそう言うが
雄一は笑顔のままそこに立っている。



「雄一?何か言ってよ」



真奈は少しいらだってそう言うが
雄一は相変わらず何も言わない。



「雄一ふざけないで!私がこんなに
怖い思いをしているのに


私に優しい言葉一つもかけられないの?


雄一!雄一!」



真奈の必死の懇願にも
雄一は答えない。

< 41 / 162 >

この作品をシェア

pagetop