闇の花~2人の殺し屋~
刀のパートナー









人生は何があるかわからない。



だからこそ人生とは面白い。






昔、なにかで読んだ本の一節。








“面白い”、ですって?





私にとってはこの世の全てなど

つまらないガラクタ。






確かに人生は何があるかわからない。






ただ…


私に降りかかってきたのは

ただの厄介事だった。













「明日、何か予定あるか?」





ある日の夜。


その日は月が満月で嫌なほど輝いていた。




いつも通りに仕事をこなし報告したので帰ろうとしたら冷さんに呼びとめられた。





「…何もないけど」






「明日…お前に会わせたい奴がいる」






私に?
今までそんなことなかったのに…





「誰なの?」



「名前は『ラック』。そこそこ名が通っているが知っているか?」




そういえば聞いたことはある。


確か……

長い日本刀を主に使う殺し屋だと。





「えぇ。少しは」



「そいつに会ってもらいたいんだ」



「どうして?」



「それは明日話す」



「……了解」

そう言って家に戻った。






今日のターゲットだった女。

すぐに片づけることはできたけど
帰りに冷さんにもう1件頼まれた男達の仕事で服が汚れてしまった。





クローゼットには仕事用の服が何着も予備があるとはいえ相手の血がつくのは気分が悪いわね。

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