隣の先輩
第4章 些細なこと
 昨日と同じように準備をして、家を出ることにした。


 家の外に出たとき、足に影が届くのに気づいた。


 何も考えずに顔をあげると、思いもよらない顔があって、心臓が高鳴る。


 西原先輩が立っていたのだ。


「真由」


 そんな声が家の中から聞こえた気がするが、私の意識にはしっかりと届いていなかった。


 思わず扉を閉めると、彼を見る。


「おはようございます」


 なんてタイミングで会うんだろう。
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