漆黒シンデレラ
04.透明な侵略



——触れるともう戻れなくなることなんて解っていたんだ。







とある昼下がりに天才木城葉澄は目の前で起こっている事態に思考が停止していた。

今日は不甲斐無い友人達に騙されて「合コン」とやらに連行された。それならまだ良い。

自分の容姿の良さを自負しているので女など軽くあしらえば良い。






結果



(——…逃げたのは良いが、何故加賀美と…





…環ちゃんが?)



俺達は小学校が一緒だったので顔見知りなので…自分も堂々と登場すれば良いのに、何で俺がコソコソしなくちゃいけないんだ。



(それになんだあの殺伐とした空気は、)

















ふらりと外と散歩しようとでも思った二時間前の自分をラリアットしたい。




「……何で休日にまで加賀美君に会わなきゃいけないの?」

「安心しろ俺も同意見だ」

「胸糞悪い」

「残念ながら俺も同意見なんだが」



ふらりと外に散歩しに行った結果、道中加賀美君と遭遇してしまった。しかも何気にお洒落をしているからむかつく。私なんてTシャツにジーパンだけだし。



 

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