図書室ではお静かに~甘い声は唇で塞いで~【完】
第1巻

日本人形な彼女

昼休憩。

図書室の裏にある小さな木陰。

昼寝をするにはうってつけ・・・。

なのに。


「ここにいるってホントだったんだ」


近づいてくる女。

髪は綺麗にカールされ、短いスカートからは白い太股がのぞく。

アイラインもばっちりに、マスカラはまつげを倍には長く見せ、その唇はグロスでテカテカ。

ブラウスは着崩され、勿論タイは無い。

ボタンも3つ目までハズされていた。


「エロいかっこーしてんのな?」


男がつぶやく。

彼の髪は茶色を通り越して、光りに透けるそれは金髪に近い。

目は少したれて、形のいい唇、鼻筋は通り、その甘い顔は女を引きつける。

耳には両方にピアスが3つ。

太陽の光が乱反射する。

女の顔が近づく。


「欄って彼氏いなかったっけ?」


形の良い唇が言葉を紡ぐ。


「蓮って意地悪ね」


欄が微笑を浮かべる。

唇が重なる瞬間、蓮は顔を逸らし、首元に埋めた。


-そんな口とキスできるかよ?-


蓮は心の中でつぶやく。


「・・・・ぁん」


それから、ブラウスのボタンを外す。

その手は、そのまま背中に回されて・・・。


蓮の上で欄が乱れる。

蓮は特になんの感情も抱かず、眺めていた。

彼女の背中の向こう側にに見え隠れする人影。

窓の向こう側。
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