僕は君の罪になりたい
強制的デート
―ピーンポーン…―




「…ん〜」



休日くらいゆっくり寝かせてよ…





―ピンポーン、ピーンポーン…―





しつこいわね。


新聞の勧誘かしら…。






夢と現実の間にいる頭を動かして枕の横に置いている携帯を取った。



10時か。


夕方まで寝る予定だから、まだ起きるには早いな。




そう思って再びベッドに体を倒すと、ガチャガチャと鍵を開ける音が聞こえてきた。



「…誰?お母さん?」


「俺」



ヌッと顔を覗いてきたのは成宮くん。



なんだ、成宮くんか。






……ん?



「成宮くん!?」

「おそようございます、みーちゃん」




は!?


何で成宮くんがウチにいるの?




「みーちゃん一人暮らしだったんだね。実家遠いの?」


「遠くはないけど、自立したから出て来たのよ……って、違ーう!!アナタ、何でココにいるのよ!?」




ベッドから飛び起きて成宮くんを睨みつけた。





「みーちゃんとデートしようと思って」


「そうじゃなくて!何で私の家知ってるの!?あとどうやって鍵開けたのよ!?」


「住所くらい何とでもなるじゃん。鍵はコレで開いた」




成宮くんはヘアピンを翳す。




…アナタ、それは犯罪よ?
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