その先に・・・
two
「次の飲み会、営業部とだけどどうする?」


同じ総務課の同期

加奈子が、

ランチを食べ終え、ナプキンで口端を拭きながら聞いてくる



「ん~そうだなぁ・・・」


曖昧に答えながら

皿に残ったわずかなカルボナーラを

口元に運んだ


「どうせ、週末に会う事なんてないじゃん?」


事情を唯一知る加奈子

その目はいつも

私を

無意識に責め立てる



「……そうだね」


週末は浮気相手の貰っていい時間じゃない


そう言いたいんでしょ?


「今更、やめなとは言わないわ。でもさ、新しい男と知り合うチャンス、逃さなくてもいいんじゃない?」


飲み会の度に


誘われる度に


何度となく繰り返されるセリフ



「もし、……裕介が別れたら?」


そして、毎回同じ言葉を返す私



はぁ~と目の前で

遠慮なしに吐かれる大きなため息


これも

毎回のこと









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