恋文〜先生へ綴る想い

[過去2]きっかけ


高校には「赤点」という厄介なものがある。


中学と違って出席時数も重要だし、


決められた基準以上の成績を取らないと、進級できないという変なオキテがある。



「赤点だった生徒には、夏休み中に補習をします。詳しいことは後で担任から連絡してもらうんで、そのつもりでいるように」



夏休み前最後の英語の時間。


めずらしくしゅーた先生が日本語をしゃべった。



誰かが「先生が日本語使うなんてめずらしいじゃん」と突っ込んだら、


しゅーた先生は「だって補習になるようなヤツは、どーせ英語なんか聴き取れないだろ?サービスだ、サービス」なんて言った。



英語ができない私としては、なんとなく癪に障るなあと思っていたんだけど、


その後担任から渡された通知表に書かれた私の英語の点数は、


(産休に入った先生が出してくれたみたいだけど)


悲しいことにギリギリ赤点だった。
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