きっと ずっと もっと。

Surely all the time more

あたしはもう満足だった。

二度と“幸大”に触れられなくても、この気持ちだけで――今日の思い出だけで生きていける。

そんな気さえしていた。


喩え、幸大”が、あの秘密を共有する女性を選んだとしても、コーちゃんがあたしを無視する事はないって確信していたから。


――だから驚いた。


あの人と幸せになってね、そう言おうとしていたあたしの言葉は遮られ、

「……友里」

あたしの名を呼ぶ声が、耳元でしたのだから。


躯に感じる熱は、あの始まりの日と同じ。


あたしはコーちゃんに、抱き締められていた――…



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