キミの隣に

距離感覚

 

ヤバイ・・・

軽はずみな事を
していた。


『した』ではなく
『していた』とは・・・

本当に、
ペットボトルにあがわれた唇を
『欲しい』と、
思ったところから先は、
体が勝手に反応して、
気付けば唇を塞いでいたからで。

唇の柔らかい、
ぷにっとした厚みを
感じる。

チクッと
痛みが走るまで、
無意識だった。


ここは、受付からも
十分に見える可能性のある
ポジションで、時間が時間なら
相当の通行者もあり、
見つかる可能性は高かった。


普通の自分なら、
ありえない。


曲の途中で、
何度も交わした視線

バラードの歌詞

急に近づいた、
彼女との距離

・・・完全に雰囲気に
呑まれてしまった。



彼女が大人のオンナだったから
それについても、
見逃されたが。

勘違いされて
騒ぎになってしまったら
ヤバイ所だった。


何とか自分を取り繕って
平静を取り戻したフリを
したけど
もっと近づきたいという欲望は
収まりが
つかなくなってきた。




 

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