マイスィートアフタヌーン
Into The LIGHT

1.


「クレイクリフに戻るっ? またなぜそんな展開にぃっ?」


 当初の行き先と駅が変わらず助かった。

叫んだ女性陣の後ろに立ち、フレディはそんなことを感謝していた。


狭い馬車の中でこんな大声を出されていたら、耳が無事では済まなかったと思う。

屋根を超えてはるかな空へ、飛んでいる鳥にも届いたかもしれない。そんなことまで思うのは、寝不足の箍外れのためかもしれない。


ここに至るまでの道中で計画変更を報告できなかった事情はと言えば、やはり彼女たちに存在していた。

止め処なく続く話の流れに、分け入る箇所がなかったためなのだ。


もっとも駅に着いたからと言って分け入れたわけではなく、切符購入の時点になって、おかしなことに気付いていただけたが故の申告となったわけなのだが。
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