さぁ、跪いて快楽を乞え!

Duex.

「今日は随分とおとなしく車に乗られましたね。如何なさったのですか? 物凄く気持ち悪かったのですが」

橘が車の運転をしながら、後部座席で窓に寄りかかったまま外を眺める薫に問う。

「……悪いか」

「仕事が軽くなるのは有り難いですが」

「……」

「で? 如何なさったのですか?」

「11月に学園祭あるの知ってるだろ?」

「えぇ。貴方のクラスは劇をやるのでしょう? しかも貴方がお姫様役で」

「うん。俺が姫役……」

「良いじゃないですか、滑稽で。で、それがどうなさったんですか?」

「今日、その衣裳が届いたんだよ」
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