地味子の秘密 其の参 VSワガママ姫サマ

†入学式潜入

柚莉と話していると、携帯が鳴った。



「電話?」

「うん、噂の彼からだ」



行ってらっしゃいと手を振られて教室を出る。



通話ボタンを押すと、優しい声が聞こえて来た。



《杏?今どこいんの?》

「教室を出たところ。どうかしたの?」

《あぁ…弁当の礼言ってなかったからな。今日も美味かったぞ》

「そう?ありがとう」


自然と顔が緩む…。




《あのさ…》

「うん?なーに?」

《始業式の時の落雷……杏の仕業だろ?》

「・・・・よくわかったね」

《マジで杏が落としたのかよ(笑)》


ゲラゲラと爆笑する声が聞こえた。



「だって、あまりにもうるさかったし……先生達も困ってたから」

《晴れた空に、あんだけの雷はねぇだろ?》

「静かにはなったじゃん。式もスムーズに進んだし…」
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