飴色蝶 *Ⅰ*
彼の背中

一目惚れ

私は、こうして
通勤ラッシュの

満員電車に
揺られる事が嫌いで
はない。

この話を、家族や
友達は、もちろん
会社の同僚に話すと

皆からは決まって
批判的な言葉が
返ってくる。 

『狭い空間に
 人がひしめき合い
 息苦しくなる』

『痴漢にお尻や胸を
 触られるから、嫌』

『不安定な状態で
 立っているのが苦痛』

『満員電車が好きだ
 なんて考えられない』

等・・・

決して私は、満員電車
が好きだとは言っては
いない。
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