飴色蝶 *Ⅰ*

友の涙

一軒の居酒屋で、お酒を
飲みながら私はひとりで
更紗と雪乃が訪れるのを
待っていた。

「ごめんね、スミレ
 急に呼び出して」

「いいよ、それより
 どうしたの?

 その、眼帯」

雪乃は右目に眼帯をして
唇の端がほんの少し紫色
になり、誰かに殴られた
痕のようだった。
   
「大丈夫?」

「別れたいって言ったら
 彼に殴られたの
 
 もうどうしたらいいか
 私・・分からなくて」

雪乃の瞳から

涙が流れていく。
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