飴色蝶 *Ⅱ*
愛する人

愛する人

貴方に逢えなくても

私は平気。

貴方が傍にいなくても

一人で大丈夫。

平気・・・大丈夫・・・

このまま、永遠に貴方に逢う事
ができなくても、ずっとそう
言い続けていられるの、菫?

そんな、自信ないでしょう。

今頃、貴方の隣には、きっと
彼が話していた女性がいるはず

未練がましいでしょう、私?

いい加減にしろ

心底、自分が嫌になる。

夜の街を颯爽と歩く、庵の腕に
しがみ付く、女性の手。

庵は、その手を、強く
払いのけた。

「ねぇ、どうして
 そんなに怒るの?」

「怒ってないさ」
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