シムーン

明鏡止水ー本当の俺はわだかまりだらけー

茶色のフワフワした髪。

色素の薄い白い肌。

薄いピンク色の唇。

俺は腕の中にいる女に視線を向けた。

酒を飲んだのか、アルコールのキツい香りが鼻についた。

その香りに、俺まで酒を飲んだかのような感覚にさせられた。

「んも~…冴子ったら、ひどいんだから…」

冴子――ああ、さっき俺に押しつけてきた女友達の名前か。

…それにしても、どうしようか?

困っているところを見つけて任せるとは言ったものの、全く考えていなかった。

出任せもいいところだ。
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