私は嘘で出来ている。

「晩飯どうする?」


京也の声は、ぼんやりしたものだった。


「ゴメン、今からバイト」


私は彼の腕の中から抜け出し、脱ぎ散らかされた下着に手を伸ばす。


「またバイト…?家業なんだし、そんなに必死に働くことないだろ。将来的には社長夫人なんだし」


京也の家は大手食品会社だ。


度々そのことを鼻にかけるのは悪い癖だった。


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