アクアマリンの秘密

集う能力者

「あなたたちは…。」


目の前には二人の人間。
燃えるような赤い髪に赤い瞳の男の人。
そしてその隣には赤褐色の短い髪で茶色の瞳を持つ女の人。
二人とも同じ服を着ている。


「今ここで答える必要はないわよねぇ~ジャニア。」

「そうだな。
とりあえず連れて来いっていうのがイアルたちの命令だし。
氷泡星来、俺たちだって姫様相手に手荒な真似はしたくねぇ。
おとなしくついて来てくんねぇか。」


姫様?
それは…誰のこと?
って…今はそれどころじゃない!


「冗談じゃないわ!
得体の知れない奴についていくほど、あたしは馬鹿じゃないの!」

「得体の知れない…ね。」


赤髪の彼は自重気味に言葉を続ける。


「確かに、俺たち自身も自分の正体なんて分からねぇから…その言葉に反論できねぇけど…命令は命令だ。
おとなしくついて来てもらえねぇんなら…少し我慢してもらおうか。」

「ジャニア!あたしがやってもいいでしょぉ~?」

「駄目だ。これは俺の仕事だし。そもそもマイサ、お前はこの任務に同行する必要もなかったんだ。」

「それはそぅだけどぉ~…
ジャニアの任務には一緒に行きたかったのぉ~…。」

「なら邪魔はするな。」

「分かったぁ…。」

「というわけだ、お姫様。覚悟は出来たかい?」

ニヤリと口角を上げて不敵に微笑む〝ジャニア〟と呼ばれる男に、あたしはぐっと息を飲んだ。
どうやら本気であたしをどこかに連れていきたいらしい。

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