3番目の高度合成数。-年下のキミと-

・大志くんちの家庭の事情


 その日の夕方。



 仕事帰りにリナと食事の約束をしていたのに、合コンが入ったとかでドタキャンされた。



 ……ま、いいけどねぇ……。



 リナにはちょっと落ち着いてもらいたので、むしろ合コンに行ってくるなら大歓迎だ。




 と、言うことで、私はまた『cube』のドアを開けた。

 四日振り……かな。



「いらっしゃいませ~」
「いらっしゃい」


 声が二つ飛んできて、ハッとしてしまう。


 店内を見ると、カウンターの中で大志くんがお皿を拭いていた。



 ……そうだ、大志くんがいたんだった。



「実句さん、ひどい。今、僕がいてビックリしてましたよね?」

 いつものカウンター席に座った私に、大志くんがそう言いながらお冷(おひや)を出してくれる。
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