不思議の国のお伽噺。

rp.3 あかずきんとの出会い。




歩いていく、女の子。
花柄の、農家の人が被っているような帽子をかぶり、赤いボレロを羽織り、花柄のワンピースを着ている。

片手には、茶色いかごを持っていた。




「チェシャ猫っ!!もしかしてあの子って!!」



「あかずきんだよ」



やっと…見つけた。
そんな達成感に胸が踊った。


さっきの深緑の彼や、メロヘンで言われて考えてたこと。このときだけは、全部忘れられた。
苦しく、もどかしい思いは、消えていた。



「チェシャ猫、声…かける?」



「好きでいいよ。」



「じゃ、じゃあ、かけてもいい?」



「いいよ」



チェシャ猫から承諾をもらい、童話の中の彼女と話をしにいった。








「あ、あの…っ!!」



振り向く。

時間が、スローモーションのようだ。



「…アリス?」



…………気付くのはやくね?











< 19 / 159 >

この作品をシェア

pagetop