envyⅠ

山田太郎



しょうがなく、二人でおもしろくも何ともないばばぬきをやった。黙々とばばぬきをやっていると沈黙が辛い。



「…名前はなんていうんですか?」

「うーん…僕は山田太郎だよ」

そう答えた目の前の人はカードから目を離さなかった。
そんな馬鹿な。山田太郎…って名前らしい。なにそれ。
なんか似合わない。
すごく似合わない。


「…へぇ……私はさきっていいます」
名前にびっくりした事は言わないでおいた。

「へぇぇ、サキちゃんってゆーんだ。そういえばさっきは誰と一緒に来てたの?車の人気にしてたよね?
今更だけどさ、怒られない?」



この人はよく笑う。でも全然親しみやすい感じじゃない。顔が綺麗すぎるからか、この独特な雰囲気のせいなのか、わからないけど。


< 20 / 77 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop