木苺の棘

甘い馨

「モカちゃん
 いい加減、アフターに
 付き合ってくれよ」

閉店間際のお店に
常連のお客さま・・・

いつもは
こんな人じゃない。

きっと、仕事で
問題が起こったか
何かだろう。

「なあ、いいだろう?」

強引に私の腕を掴み
今夜は、私を困らせる。

その手に、そっと触れる。

「ごめんなさい
 病気の母が私の帰りを
 待っているの」

「ああ、そうだったね
 すまない・・・
 君には、病気のお母さん
 の介護があったね
 
 本当にすまない・・・」
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