アクアマリンの秘密

月星の魔導書

眩しすぎてあたしは咄嗟に目を覆った。
光が少し収まるのと同時に目を開ける。


「それは…。どうしてここに…?」

「白斗さん…この本…。」


手に取ったはずのない本が、今目の前で浮いている。


「なんでこの本浮いてるのぉ~?」

「『月星の魔導書』(ゲッセイノマドウショ)…。」

「『月星の魔導書』…?」

「なんでここにこの魔導書が…
これはアクアマリンにあるって言われているものなのに…。」

「あの…これ…なんなんですか…?」

「これは…。」


そう言ってその魔導書に手を伸ばす白斗さん。


バチッ…!!


その手は魔導書自身に弾かれる。



「オレじゃないんだね、この魔導書の『読み手』は。
星来、その魔導書に触れてみて?
大丈夫。オレみたいに弾かれることはないからさ。」


そう言われて恐る恐る魔導書に手を伸ばした。

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